「むすんで開いて、手をうってむすんで」の原曲で「見わたせば」という唱歌があります。大元はジュネーブ生まれの思想家にして作曲家のルソー(Jean Jacques Rousseau 1712-1778)オペラ「村の易者」(1753)の一節。
「見わたせば」は明治14年(1881)柴田清熙作詞によるもの。
見渡せば 青やなぎ
花桜、こきまぜて
都には、路もせに
春の錦をぞ。
佐保姫の、織りなして、
降る雨に、そめにける。
T編集部のTさんへ、これは「古今和歌集 巻第一 春の歌 上」からの歌でした「新古今和歌集と言ったのは間違いでした。
見わたせば卯桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける
ちなみに二番も(作詞は蛍の光の稲垣千頴)
見わたせば、山べには、
尾上にも、ふもとにも、
うすき濃き、もみじ葉の
秋の錦をぞ。
龍田姫、織りかけて、
つゆ霜に、さらしける
Tさんまた「薄き濃き紅葉葉」の京都であそびましょう。
写真は京都、知恩院総門近くの唐戸鼻橋から白川を望む